exhibition/event - 2015  過去の展覧会・イベント(2015年)

01■01月27日(火)~2月14日(土)11~19時 / 最終日は11~17時、日曜・月曜休廊
坂本優子個展" uto "

これまでと、そしてこれからも変わらず続いていく長い長い時間の事を考えてみたいと思い、
年月や歳月を意味する「烏兎」という言葉を今回の展示のタイトルとして選びました。
そして、作品の中で描いている様々な様相の動物たちを通して、
私たちとは異なる、遠く離れた者たちにとって、同じ今、この時がどの様に流れているのか、
声を上げるとすればどの様な声か、想像しながら制作し、今回の個展へとつなげていきました。(坂本優子)

「万年後のカメ」2014年 / 紙にアクリル絵具 / 1140×840mm


02■02月21日(土)~03月08日(日)11~19時 / 会期中の休み:2月22日(日)・23日(月)、3月1日(日)・2日(月)。最終日の日曜日は開廊
上野友幸個展" Unity and Force "
機材協力:成安造形大学

上野友幸は、2006年成安造形大学を卒業後、東京藝術大学大学院(先端芸術表現)に進み、2008年修士課程を修了しました。
2008年からドイツに滞在。シュトゥットガルト国立造形芸術大学彫刻クラス研究生、ベルリン芸術大学アートアンドメディアクラスにてマイスター課程修了、DAAD奨学生、ポーラ美術振興財団在外研修員などを体験しています。


上野友幸は、時間軸や性格の異なるメディアからメディアへの変換を用い、世界の深度や意味合いを求めて制作をしています。20代でのドイツ生活は、作家としての成熟を促していると感じます。
上野友幸の仕事をつうじて、現代において移動する身体そのものがメディアであるということ、創造が思想と視覚の交差であるという提示を試みるべく、このたび初個展を開催する次第です。

「この展覧会は国境をテーマに構成されます。
普段日本では国境を意識することはありませんが、ドイツで生活をしていると、飛行機で1時間、電車でも2時間で別の国へ行けるため、
よく意識することがあります。それは国境というのは概念的なものであり、特にEU圏内では物理的な境界が存在している訳ではなく、
飛行機や電車での移動中にふと越えてしまうものだからです。電車で2時間移動しただけで、その街の言語が変わっていたという経験は
なかなか不思議な感覚です。そのため、移動中はここはまだドイツなのかもうポーランドなのか、といったことをいつも考えます。
国境は概念的であるが故にとても違和感があります。その国境のこちら側で生まれたのかあちら側で生まれたのかという些細なことで、
人の人生は大きく変わってしまいます。自然環境から捉えた場合、その境界は全く下らないものなのですが。
しかし、この展覧会は国境に対して、単にそれが無くなれば良いとか、曖昧にするとかいった姿勢はとりません。

今回の展示作品ではドイツの軍事学者カール・フォン・クラウゼヴィッツ(1780-1831)による著書『戦争論』、
イギリスのリデル・ハート(1895 - 1970)が書いた『戦略論』がコラージュ作品の素材として、世界地図と共に用いられています。
作品ではその戦争に関する文章と地図に記載された地名がコラージュによる切断と接合によって新たな単語、意味を記されています。
それらの単語はしかし、暴力的な意味だけでなく、慈悲深い意味も含まれています。
展覧会名 "Unity and Force" は協調的であると同時に暴力的でもある国境という奇妙な概念を記しています。
この展覧会は国境を通して、人類の歴史や性(さが)といったことへの理解を試みるのです。」(上野友幸 / 2014年11月ベルリンより)


03■03月11日(水)~28日(土)11~19時 /最終日は11~17時、日曜・月曜休み
展示室B:不要陶器回収再燃焼プロジェクト
「サイネンショーカップと不要陶器の交換会」
2013年に開始した不要陶器回収再燃焼プロジェクト<サイネンショー>では、これまで再燃焼したカップの数々と、皆さんの手元にある不要陶器の交換会を開催します。 サイネンショーとは、家庭や事業所などで使わなくなった食器をご提供いただき、薪窯でもう一度焼くというプロジェクトです(代表:松井利夫)。窯は、京丹後市久美浜町にある穴窯、薪は、周辺で解体された築100年ほどの家屋の廃材です。見過ごされる貴重な資源と、見飽きたり使い飽きた大量生産品との新しい関係を探り、参加・鑑賞していただく人々と、芸術の創作活動における電力依存についても考える機会としています。
 撮影:表恒匡

おかげさまをもちまして、多くの交換が成立しました。ご協力ありがとうございました。
本プロジェクトは今後も継続いたします。陶器提供や周知にご協力くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。


04■03月11日(水)~28日(土)11~19時 /最終日は11~17時、日曜・月曜休み
展示室A:名古屋芸術大学美術学部洋画2コース&大学院同時代表現研究学生選抜展
" SCOPE "(絵画)
鵜飼友梨香 UKAI Yurika、加藤由佳 KATO Yuka、山崎舞衣子 YAMASAKI Maiko
名古屋芸術大学美術学部・大学院より3名を学内選抜。(主催:名古屋芸術大学)
これまでほぼ毎年、各芸術系大学の卒業展シーズンに開催してきた展覧会です。
京都や関西の同世代作家や若手作家を応援してくださる皆様に、ぜひご覧いただきたいと思います。


鵜飼友梨香「back yard」」2014年 / 130.3×130.3cm / キャンバスに油彩
1990年愛知県一宮市 生まれ
名古屋芸術大学美術学部洋画2コース在籍中


加藤由佳「風をあつめて」2014年 / 91.0×91.0cm / パネルに白亜地、油彩
1990年 岐阜県瑞浪市 生まれ
2013年 名古屋芸術大学美術学部洋画2コース卒業
名古屋芸術大学大学院美術研究科同時代表現研究領域在籍中


山崎舞衣子「早春図」2014年 / 112.0×145.5cm / キャンバスに木炭、油彩
1990年 高知県南国市 生まれ
2013年 名古屋芸術大学美術学部洋画2コース卒業
名古屋芸術大学大学院美術研究科同時代表現研究領域在籍中


05■03月31日(火)19時~
Yuko Hirai & Ken Furudate
Chamber#1 Deeper Sleepers
" Esquisse for A Room of One's Own"


料金=¥1,000 (予約制・飲物付き)

制作=Virginia Project
京都芸術センター制作支援事業

平井優子(ダンサー/演出家)古館健(アーティスト/プログラマー)によるダンスパフォーマンス。
茶会型パフォーマンス「超縄文」にもつながる作品です。


06■04月18日(土)~05月10日(日)11~19時 ・最終日は11~17時 / 5月10日以外の日曜・月曜休み
牧野和馬「境界線」(写真)
1978年京都生まれ。

「壁、そして海。
人と自然の境、海と空の境、異なったアプローチから
境界を追った2つの展示を行います。

個展では今回初めて展示する『海』。
山に囲まれた京都市内に生まれ育ち、
海には憧れのようなものがありました。
曇り空と黒い海、波間に見える不思議な色、
もやがかかって消えゆくように曖昧な水平線。
海と空の刻々と変化するその姿にも心惹かれます。

15年にわたって撮り続けてきた『壁』。
壁は日常の生活において、外の世界(自然)との境界をなしています。
それは身近な存在でありながら意識の外にあり、
誰も気に留める存在ではないのかもしれません。
人為によって作られた壁は、
人の介在しない時間もずっとそこに隔たりとしてあり続け、
人の意識の外で繰り広げられる時間の蓄積に物語を感じます。」(牧野和馬)


" color of the sea" type-c print( color negative film 6×6) / 100×100cm / 2015

KG+特別協賛:株式会社グランマーブル



07■05月22日(金)~06月06日(土)11~19時 ・最終日は11~17時 / 日曜・月曜休み
タテヤマアヤナ" image "(絵画)
京都嵯峨芸術大学卒業。
タテヤマアヤナは、「多くの物で溢れている日常の中で、ふと気を抜くと、目の前の物や光景がまるでテレビを見ているように非現実的に感じる瞬間がある。」と言います。
この作者にとっての作品制作は、形や色、距離感などが失われていく感覚を追う仕事です。
一方で、光を描こうとした印象派の試みは、コンピュータによってRGBからCMYKへの理論的な変換が容易となった現代においても、非常に原初的な絵画制作の態度ととらえることができます。
作家が認識する現実の光や図像の交錯として、数々の新作をご高覧いただけましたら幸いです。

19.5×19.5cm/紙、水彩絵具/2015


08■06月19日(金)~07月04日(土)11~19時 ・最終日は11~17時 / 日曜・月曜休み
近藤千晶「背後の光」(絵画)
並んだドットはスクリーンとなってキャンバスに膜を張る
ドットにほんの少しの大小や濃淡、色彩を加えると、
それらはざわざわと動きはじめ、
画面を剥がれ浮かび上がってくる
二次元でも三次元でもなく、光と影のニュートラルな空間

光は背中をすり抜けて画面の前で像を結ぶ  (近藤千晶)

近藤千晶は、1997年より毎年、主に個展をつうじて作品を発表してきました。
丹念に描かれるドットは直径1cmにも満たないですが、作品の多くは、大型のキャンバスです。観る者と画面との間に、空間のひずみや空気の流れのような視覚の戸惑いが現れます。当方では、3年振りの個展。


「光の扉 5 Door of the light - 5」259.5×162.5cm /アクリル絵具、綿布/2014



09■07月17日(金)~08月01日(土)11~19時 ・最終日は11~17時 / 日曜・月曜休み
小畑公未子 " baby baby baby "(絵画・金属作品)
「彼らの残像が世界を引き連れ歩き出す時、その世界は歪んで繋がり丸く成る。
丸い世界はバウンドした自らの衝撃ではじけて消える。
はじけた破片がまた、彼らを生み、、、そして私は同じ風景を繰り返し繰り返し目にする。」(小畑公未子)

金沢美術工芸大学卒業後、高岡市に住み、鋳造作品を制作中。並行して制作してきた絵画作品とあわせての展示です。
色彩と物語の仕事(絵画)と、物質や重力との仕事(金属作品)の絶妙のバランスをご覧ください。

略歴

" baby baby baby " F4号 / キャンバスに油彩 / 2014年


10■09月08日(火)~26日(土)11~19時 ・最終日は11~17時 / 日曜・月曜休み
大友一世 [めまぐるしいゆえ、眩しい] (絵画)
いたるところで情報が飛び交い、めまぐるしい。 発光体が造りだす現実よりリアルな色彩は眩しい。 が、表面に現れる事象はたいしたことではなく、光の背後に潜むぼやけた部分こそが本質だと考えている。 描くことは、えぐる行為に似ている。 周囲の目に見えない微妙な変化を身体で受け止めて、自身の存在を自覚する。 内部の揺らぎをえぐり、形成したものを提示する。 主観的ではあるが、より突き詰めた生のリアリティーを認識する。(大友一世)

京都嵯峨芸術大学卒業、東京在住。略歴
3原色のみによる描画に取り組んできましたが、本展では、支持体を金属板に変え、新たな試みをいたします。


[嫌いな人の顔を忘れる]ステンレス板に油彩 / 225×300mm / 2015年


11■11月14日(土)~12月5日(土)11~19時 / 日曜・月曜休み
下出和美個展 "The song of good-bye"(絵画)
2年ぶりの京都での個展。新作油彩、水彩。

作品は、画面の各所に点在する断片から描き始められます。制作の進行にしたがって、断片どうしは次第に連接していきますが、いよいよ近接する時点において、必ずしも作品内の空間は整合せず、ズレを伴ったまま画面が完成します。下出は、風景や人物などさまざまなモチーフを切断し接続することによって見えてくるものに関心を寄せ、独立する断片が集合していく緊張状態を提示します。
モチーフの多くには、ふと眼に留まった身辺の奇妙な光景を引用しています。作者は、日常生活にある微妙な違和感はあらゆる場所に潜在していると言います。それは、また、障害とともに生きたある人との深い関わりが世界の一部であったと語るように、その人には見え作者に見えないものを共有した記憶であるかもしれません。(ヴォイスギャラリー)

下出和美
1983年 石川県生まれ
2008年 金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科絵画専攻油画コース修了
MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY pfs/w、gallery 点(金沢)、TOKYO WONDER SITE HONGOU(東京)において個展。
その他の主な展覧会
2016年 VOCA展2016出展予定 / 上野の森美術館
2015年 新進芸術家育成交流作品展
     「FINE ART / UNIVERSITY SELECTION 2015・2016」 / 茨城県つくば美術館
2013年 第一回損保ジャパン美術賞展FACE2013/損保ジャパン東郷青児美術館
2010年 手の中のミクロコスモス/金沢アートグミ(金沢), carre2010/gallery 点(金沢、同2011,2013)
2009年 眼差しと好奇心5/soka art center (台湾/台北)
2007年 シェル美術賞2007/蔵屋美香審査員賞
2005年 シェル美術賞2005/代官山ヒルサイドフォーラム(東京、同2006,2007), TOKYO WONDER WALL 2005/東京都現代美術館(東京、同2007)


"The song of good-bye" 2014 / oil on canvas / 162×194cm


12■12月15日(火)~26日(土)11~19時、最終日17時まで / 日曜・月曜休み
現代美術二等兵の「去年やりたかったこと~駄美術展覧会」
人間誰しも、後悔をするもの。
特に中高年になるほどに「ああすればよかった。」「こうしておけばよかったのに。」と出来なかったことや行けなかった場所に固執することが多くなります。
我々も展示活動をはじめて今年で24年になりますが、展覧会をするごとに同様のセリフが口をついて出てくることが多くなりました。
そこで今回あえて、昨年の展覧会でやり残したことをコンセプトに、昨年買ったけど使用しなかった素材の消化、時間が足らなくて作らなかったモノを今更のように制作し展示。他のイベント用に作った作品も公開します。
作品を見て「一体何が去年と違う?」、そういう言葉も頂戴するかもしれませんが、これが現代美術二等兵が去年やりたかったことなのです。(現代美術二等兵)

現代美術二等兵HP

美術を先導する種々の思惑が「高級芸術(ハイアート)」と「大衆芸術(ローアート」といっていた頃、現代美術二等兵は、「駄美術」制作活動を開始しました。その後今までずっと、駄美術は、美術の太陽系外惑星のような存在です。いっぽうで、現代美術二等兵は、それぞれに、現実社会のカオスを知るビジネスマンとしての顔も持っています。数々の作品群が美術の変化に動じないのは、複式の人生であるからかもしれません。駄美術の駄は、ご存知のとおり駄菓子の駄です。駄菓子屋の前にさしかかったときのように、駄美術から滲みでる欲望のおかしみに足を止めていただきたく、今年も展覧会を開催いたします。(MATSUO MEGUMI+VOICE GALLERY pfs/w)


「テディ○○」
" Kawaii: crafting the Japanese culture of cute "
2015年10月30日~12月12日
James Hockey & Foyer Galleries, UCA Farnham(イギリス)